「上演がいつか中止になってしまうかもしれない」「この作品が日の目を浴びることはもうないかもしれない」
様々な不安の中で、舞台芸術に携わる人々は日々クリエイションを続けているのではないでしょうか。
そんな中、制作過程を記録するという行為は、観客にとって、そして製作者にとっても、
これまでとは違った意味合いを持ってきていると感じています。
今回は「風景演劇の記録方法」ということですが、ソノノチの稽古場では、大きく3つの記録方法を採用しています。
①映像
稽古場全体の様子がわかるよう定点カメラを設置し、時に演出の中谷さんやパフォーマーに近寄りながら臨機応変に撮影しています。
風景演劇において、パフォーマンスはほとんど動きで構成されているため、映像媒体はかなり重要な資料になります。
②文書
誰が何を言ったか、今日の稽古はどこまで進み、どんなキーワードが出たかなど、文章でできるだけ詳細にまとめていきます。稽古場でミーティングが行われた際は特に重要になってきます。
また、以前の稽古場で決まったことを振り返ったり、情報を共有する際にも役立ちます。
③写真
ホワイトボードに書かれた内容や、その日の様子などを1回の稽古につき数枚~十数枚ほど撮影します。
他の記録方法より短時間で稽古場の様子を確認することが出来る媒体です。
これらの作業をアーカイブ担当のnecoさんと私とで手分けして行っています。
記録の際の注意点は記録者の主観を入れないこと、関係者ではない人が見てもわかること。
映像・写真はグーグルドライブへ稽古日ごとに保存していき、文書はグーグルドキュメントで共有しています。
こうして記録された資料は互いに補い合い、『風景によせて』の様々な側面を浮かび上がらせていきます。
そして後の人々が、或いはnecoさんが書かれたような同じ時代に生きる人々が、「もっと知りたい!」と思ったとき、その糸口になればと思っています。
アーカイブ担当:駒(企画団体〈世界平和〉)